代表インタビュー

代表 渡邊大明
リングアンドリンク株式会社のインタビューに基づき作成しています

不動産業界に入ったきっかけは

以前は経理の仕事をしていました。上場企業で決算書類や株主への事業報告書を作ったり、税の申告手続きなどをしていたのですが、これから上場するという流れに関わりたいと思い、転職したのが投資系の不動産会社でした。そこで経理として上場の準備をしながら会社のことを知っていくうち、不動産業ってやっぱり面白いなと思うようになって。私の実家は賃貸の不動産会社をやっていたので多少イメージを持っていたことも影響したかもしれません。

そんな中、子供が生まれて育休を取ったのですが、同時にコロナ禍になり、外に出なくなったことで色々と考える時間が出来たんです。そこで宅建の勉強を始めたのですが、試験を受けたら運よく受かり、それをきっかけに経理として会社のための仕事をするより、同じ労力をかけるなら自分のための仕事がしたいと思うようになりました。

私は以前から、LGBTs…いわゆる性的マイノリティーの方が家を借りたり買ったりする際に苦労しているという認識があり、そうした知り合いがいることもあって深い関心を持っていました。不動産営業の中には、プライバシーに踏み込むデリカシーのない人もいて、「日常の中で話をしている時、性的なことを聞く場面なんてないのにおかしいなぁ」という気持ちもありましたね。

ただ、何かの形で力になれたらと考えつつ、実際の行動は起こせていなかったんです。でも娘が生まれて顔を見ているうち、「もし彼女がマイノリティーであった場合、住みたい人と住みたい場所に住めず、イヤな思いをさせたくないなぁ」という思いが沸き起こりました。

そこでLGBTsフレンドリー企業として不動産業に携わろうと決め、育休明けに勤めていた会社を退職。にじいろ不動産を立ち上げました。子供が生まれたタイミングでの独立でしたが妻の理解もあり、やると決めた以上、迷いはありませんでしたね。

にじいろ不動産の名前は、レインボー(虹)がLGBTsの尊厳と社会運動のシンボルになっていることもありますが、性的マイノリティーに限らず、色々な人の多様性を尊重しながらお役に立ちたい、という思いを込めてつけたものです。LGBTsフレンドリー企業として営業している不動産会社は本当に少なく、まだ数社しかありません。一人で始めた小さな不動産会社ですが、力は小さくても性的マイノリティーな人に嫌な思いをさせず、理解して力になれる不動産会社になりたいという思いが強くありました。

笑顔の代表

にじいろ不動産の特徴は? 心がけていることは?

まず「正確な情報をご提供する」ということです、不動産は高額な買い物ですから、出来るだけ正確な情報を、メリットもデメリットも合わせて全てお伝えするということを大事にしています。それから「三方良し」という言葉がありますが、売主さんにも買主さんにも社会にも良い仕事をするということを意識しています。それが結果、私にとっての満足にもなると思うんです。誰かを優先するのではなく、関わる全ての人が満足して、また社会に対して貢献できるようにということを常に心がけていますね。

私は朝霞育ちなので、住みやすい朝霞市を色々な人に知ってほしいと思っています。住環境もそうですが、最近では性的マイノリティーの人たちのカップルを、「結婚に相当する関係」として証明書を交付する「パートナーシップ制度」も導入されました。とはいえ、マイノリティーの方の相談となると、エリアがどうこう以前に「買える物件がどこかにないか」ということも多いので、朝霞にとらわれることなく住まい探しのお力になれるよう努めています。

また住宅ローンについても、ネットワークを生かしたお手伝いが出来る点も強みだと思います。マイノリティーでない方に比べてハードルの高い部分はありますが、LGBTsに理解のある税理士さんや司法書士さん、金融機関とのお付き合いもあるのでご紹介、連携しながらきめ細かな対応ができるものと自負しています。

私自身は今現在、性的マイノリティーではないと認識していて、LGBTsフレンドリー企業として対応するにあたっては「LGBTs Ally(アライ)」 、つまり「LGBTsを支援する理解者です」という立場になります。ただ、口ではいくらでも言えるので、「本当に理解がある会社、人なのか」、違いを見せるのは簡単ではないと思っています。とはいえ、発信し続けなければ届かないので、顔を出して、自分を見せて、あるいはコミュニケーションを取っていく中で分かっていただけるよう努力していきたいですね。

語る代表

不動産業でのやりがいや嬉しいことは?

不動産は同じものがないので、そうした希少性の高いものを扱うのは面白いです。そしてその不動産をご紹介する中で、「どうやったらお客様に満足していただけるか」、「どういう良い提案が出来るか」ということを考えるのも魅力で、またやりがいでもあります。

不動産営業にはノルマがあって、会社に求められる数字を上げないといけないので、どうしても「自分が売りたいものを売る」みたいな部分があると思うんです。でも私にはノルマがないので、売り急ぐことがありません。だから「気にせず、じっくり考えてください」とお話させていただくので、お客様から「無理強いしなかった」「色々悩めたから後悔していない」などと言っていただけるのは、思いが伝わっているようで嬉しいですね。

仕事中の様子

にじいろ不動産のこれから

将来的には賃貸も手がけて、少しでもオーナーさんにご理解を得られるような形も作っていきたいです。
「理解してください」とか「こうあるべきです」って言うつもりはなく、LGBTsへの理解を深める取り組みをしていくことで、考えてもらうきっかけになれたらと思っています。

たとえば弊社を通して性的マイノリティーを取り巻く問題や、「LGBTs Ally(アライ)」という立場があることを、まず認識してもらうだけでもありがたいですよね。オーナーさんにも良い、借主さんにも良いって環境が築けたら嬉しいです。

にこやかに話す代表

お問い合わせを検討している方へのメッセージ

マイホームは高い買い物というだけでなく、大事な家族と暮らすために買うものですから、後悔のないよう色々な物件を見て、じっくり考えてほしいですね。もちろん100点満点の物件はないのですが、妥協できるところを一緒に見つけながら、その方にとってベストなご提案をしていきたいと思います。

私は「いつまでも待ちます」というスタンスで、決して無理強いはしません。たとえば「2年後に買いたい」という相談であれば、定期的に物件や検討の役に立つ情報のご提供をしますが、私の方から「そろそろ買いませんか?」ということは絶対にないので、どうぞご安心ください。また嫌な思いをしてほしくないので、LGBTsフレンドリー企業として、お客様のご事情や個性を尊重した対応をすることもお約束します。本当に不動産会社で嫌な思いをされた方にご相談に来ていただけたらと思います。

サイクリング中の代表

趣味・休日の過ごし方

今は娘と遊ぶのが一番楽しいです。元々サイクリングが好きで、ニュージーランドの大会に出場したこともあるほどハマっていたので、娘が自転車に乗れるようになって一緒に走れるといいですね。

尊敬している人

特定の人というのはいなくて、ワンオペのお母さんとか、安全に乗せてくれるバスの運転手さんとか、小さなことでも「すごいなぁ」と思える方を尊敬するという感じです。

座右の銘

「三方よし」です。売り手も買い手も満足、そして社会貢献もできる仕事をすると言うことは、ブレずにいつも心がけています。