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LGBTとは? LGBTQに関する言葉や取り巻く環境を知りたいあなたへ。

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こんにちは、LGBTQフレンドリーな不動産会社「にじいろ不動産」代表の渡邊です。

「LGBTQを知りたいけど、何から学べばよいかわからない」と悩んでいませんか?

そのような方に向けて、LGBTの基礎知識をお教えいたします。

この記事は以下の方におすすめです!
・LGBTQについて初めて学ぶ。
・LGBTQに関心がある。

今回は「LGBTQとは何かを知りたい」方に向け、言葉の意味やLGBTを取り巻く環境について、事例を交えて分かりやすくご紹介します。

言葉や取り巻く環境がわかれば、あなたができることに気付けます。

なぜなら、私自身がLGBTQフレンドリーな不動産会社が必要なことに気付き、弊社を立ち上げたからです!


前半では「LGBTQに関する言葉の意味」、後半では「LGBTQを取り巻く環境」を解説しますので、ぜひ参考にしてください!

目次と簡単なまとめ

・LGBTQとは?
・性のあり方とは?
・SOGI(ソジ)とは?
・性のあり方を分類する意味は?
・LGBTQ以外にも性のあり方はあるの?
・LGBTQ当事者層の人口割合はどのくらい?
・LGBTQはどんな困難を抱えているの?
・アウティングとは?
・LGBTQに関する法律や制度は日本にあるの?
・理解増進法はなにが問題なの?
・LGBTとSDGSって関係あるの?
・理解するためにどうすれば良い?
・まとめ

LGBTQとは?

性のあり方

1990年代のエイズ問題を機に当事者が自分たちをLGBTと呼び、2006年のモントリオール宣言以降は一般にも用いられています。

性のあり方の広がりに合わせ「LGBTQ」、「LGBTQ+」となり、どちらも性のあり方を表す言葉です。

性のあり方とは?

性のあり方(セクシャリティ)は、人それぞれで境界があいまいで、「性のあり方はグラデーション」とも云われます。

理由は、下記の4要素の組み合わせで形づくられるからです。

・からだの性
 からだ(出生届・戸籍)の性。

・こころの性(性自認)
 自分の性別をどう捉えているのか? 
 男性/女性という認識だけでなく、中間、どちらでもないなど、多様なあり方があります。

・好きになる性(性的指向)
 どういった対象を好きになるか?
 恋愛感情や性的な関心がどの性別に向いているか?
  「好きになる性」とも云われ、異性愛、同性愛や両性愛など、さまざまな形があります。

・表現する性
 服装、髪形、しぐさや言葉遣いなど、性をどのように表現するか?

たとえば、
Aさんは、戸籍、性自認ともに男性で、好きになる性と表現する性は女性の人。
Bさんは、戸籍は女性、性自認が男性、好きになる性と表現する性が女性の人。
という組み合わせにより形づくられます。

人の性は4要素の組み合わせによって一人ひとりユニークで、境界があいまいなものです。

SOGI(ソジ)とは?

性的指向(Sexual Orientation)と、性自認(Gender Identity)の頭文字をとった、SOGI(ソジ)という考え方があります。
特定の性的指向や性自認の人を指す言葉でなく、すべての人に当てはまる性のあり方を表現できるものです。

2011年の国連人権理事会で承認された「人権、性的指向、性自認に関する決議」にてSOGIの考え方が示されました。
日本ではまだ馴染みがうすいものの、国際的には広く用いられている考え方です。

たとえば、
レズビアン:性自認が女性、性的指向も女性
ゲイ:性自認が男性、性的指向も男性
男性の異性愛者:性自認が男性、性的指向が女性
となります。

上記のように、SOGIはすべての人に当てはまる、性のあり方を表す考え方です。

性のあり方を分類する意味は?

なぜ性のあり方を分類するのか、それは性の多様性を理解し、個人の尊厳を尊重するためです。

なぜなら、人それぞれ異なる性を表すことでお互いの理解を深め、差別や偏見をなくすことに役立つからです。

性のあり方を分類することは、個人の経験を理解し、尊重するために不可欠。
からだの性、性自認、性的指向や表現する性は人それぞれ異なる性のあり方を表し、個人のアイデンティティを形成する重要な要素です。

LGBTQ以外にも性のあり方はあるの?

LGBTQ以外にも性のあり方はいくつもあります。

なぜなら「性はグラデーション」と云われるくらい、さまざまな要素が絡み合って性が形成されるからです。

以下にいくつかの例を挙げてみます。

Xジェンダー(X gender):性自認が男性女性どちらにも当てはまらない人。
                 中性・両性・無性・不特定等と表現する場合もあります。
パンセクシャル(Pansexual):男性女性の性別にこだわらず、性的指向がさまざまな性のあり方の人に対して向かう人。
エイセクシャル(A sexual):恋愛感情を持たない人、性的欲求自体ない人。
MtF(Male to Female):男性として生まれ、性自認が女性の人。
FtM(Female to Male):女性として生まれ、性自認が男性の人。
シスジェンダー(Cisgender):性自認の性別と生物学的性が一致している人。
ヘテロセクシュアル(Heterosexual):性的指向が異性に向いている人。異性愛者。
ノンバイナリー(Nonbinary):男性女性の性別に当てはまらない性のあり方。

総称して「LGBTQ+」と表現することもあり、性のあり方がLGBTQ以外にもあることを表しています。

LGBTQ当事者層の人口割合はどのくらい?

日本に占めるLGBTQ当事者層の人口割合は3%~10%という調査結果があります。
10%とした想定した場合は人口の1割はLGBTQであり、あなたの身近にもいると考えられます。

具体的な団体の調査結果をまとめると、
・2020年に埼玉県が実施した調査結果:3.3%
・2023年に多国籍市場調査会社、イプソスが実施した調査結果:5%
・2023年に電通グループが実施した調査結果:9.7%
・2019年に性的少数者に関するシンクタンク、LGBT総合研究所が実施した調査結果:10%

人口割合が多いか少ないかをイメージする目安として日本の苗字と比べてみます。
2018年に明治安田生命が実施した「全国同姓調査」によれば、
日本で人口が多い苗字ベスト10(佐藤、鈴木、高橋、田中、渡辺、伊藤、中村、小林、山本、加藤)の合計が全体の10%です。
LGBTQ当事者層の割合と一致します。

学校のクラスメイトの中に苗字ベスト10がいる、いた方は少なくないでしょう。
だとすれば、あなたの周囲にもLGBTQの方が存在すると考えられます。

LGBTQはどんな困難を抱えているの?

LGBTQの人たちは下記のような問題を抱えています。

多くの問題を抱えている理由は、歴史的な背景、社会的な偏見、現行の制度に不備があるためです。

たとえば、
トイレ問題:性自認に基づいたトイレを選べず、精神的に大きなストレスを感じる。
教育:学校でのいじめ。
     差別や性的マイノリティに関する教育の不足。
雇用:職場での差別やハラスメント。
     キャリアアップの機会の制限。
医療:診察時に性別を尋ねられる。
     性同一性障害の治療に関する情報不足や高額な費用負担。
家族:理解を得られない。
     カミングアウトの難しさ。

LGBTQの人たちはいろいろな問題を抱えており、精神的な悩みや社会的な孤立感など、社会と深く関わる問題です。

アウティングとは?

アウティングとは、本人の同意なしに性的指向や性自認を暴露することで、重大な人権侵害となる行為とされています。
一人ひとりがアウティングとはなにか?アウティングをした場合の影響について知る必要があります。

なぜなら、アウティングにより社会的な立場や職場での地位を失う可能性があるからです。

例を挙げると以下のようになります。
・職場の同僚が勝手に、他の職員に「彼はゲイだよ」と言いふらす。
・学校のクラスメイトが、本人の同意なく他の生徒に「彼はトランスジェンダーだよ」と言ってしまう。

無意識のアウティング
本人のためを思って情報共有しているつもりでも、アウティングになる場合が以下のようにあります。
・友人同士で「彼女はレズビアンだから好みの男性のタイプを聞くのは駄目だよ」と言う。
・本人がカミングアウトしていないのに、知人の家族に「彼はゲイだもんね」と話す。

悪意、善意に関わらずアウティングは当事者の生活に重大な影響を与える行為です。
アウティングを防ぐためには、アウティングのリスクと影響について認識する必要があります。

LGBTQに関する法律や制度は日本にあるの?

日本にはLGBTに関する法律や制度があります。
しかし、権利保障が充分という訳ではありません。

理由は、社会的な認識や理解の不足が影響しているためです。

日本の法律・制度
・性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
 →性同一性障害者が性別を変更できるようにする法律。

・LGBT理解増進法 (性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)
 →LGBTに対する理解を深めましょうという法律。
  別記事「LGBT理解増進法とは?何が変わる?大切なポイントを知りたいあなたへ」で法律の内容を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

・パートナーシップ制度
 →同性カップルに「結婚に相当する関係」の証明書を発行する制度。
  婚姻に似た権利を一部保障するが法的効力なし。
  一部の自治体のみで発行。

LGBTQに関する法律や制度は日本にもあります。
しかし、同性婚の法整備や差別禁止法の導入を求める声がある中で、現在の法律は充分ではありません。

理解増進法はなにが問題なの?

理解増進法はLGBTQの理解を深めるための法律であり、現在も問題点が指摘されています。
具体的には、実効性の低さや、差別禁止の具体的措置が含まれていないことです。

問題点と批判
・差別を具体的に禁止する条項が含まれていない
 →差別を防ぐ効果がないと批判されている。
・単なる「啓発活動」であり、実質的な改善が期待できない。
・LGBTQの当事者が直接的に法的保護を受けられるものではない。
 →具体的な救済措置が欠けている。

社会の反応と意見
・多くのLGBTQ活動家や支援者は、差別や偏見を根本的に解決するには不十分との意見を出している。
 →理解増進法の改正や、より実効性のある法律の制定が求められている。
・法的拘束力がない
 →個人、企業などの組織が法律を無視しても罰則がない。

理解増進法には問題点があり、実効性の低さが指摘されています。
法律をより効果的にするために、実効性を高めるための改正が必要との意見があります。

LGBTとSDGSって関係あるの?

LGBTとSDGs(持続可能な開発目標)には密接な関係があります。

SDGsの目標の中には、ジェンダー平等や不平等の解消、健康と福祉の向上など、LGBTQに関連する項目がいくつも含まれています。

たとえば、
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
 →文字通り「性」にとらわれない生活ができる環境づくりを目指す。
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
 →性的指向や性自認による「不平等」のない社会を目指す。
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
 →「性」に左右されない、安全で持続可能な居住空間の実現を目指す。

SDGsが掲げる「持続可能な社会の実現」のためには、LGBTQの権利保障も欠かせない大切な要素です。

理解するためにどうすれば良い?

LGBTQの方への理解を深めるためには、偏見をなくすことが非常に重要です。
なぜなら、人の好みは十人十色だからです。

偏見をなくすポイントを6つご紹介します。
・多様性を受け入れる
 「性はグラデーション」の意味を少しずつで良いので受け入れてみてください。

・人の「好き」に触れない
 誰が好きなのか、どのような人と付き合っているかなど、誰に対しても恋愛について聞かないであげてください。
 人が誰を好きであろうがなかろうが、一人ひとりが持つ心の自由だと認めてあげてください。

・言葉遣いを意識する
 「オカマ」「ホモ」など、差別的な意味合いを含む言葉は使わないでください。
 昭和のテレビでは普通に聞こえてきた言葉ですが、近年ではすっかり耳にすることはなくなりました。
 時代が変わったことを今回を契機に認識していきませんか?

・情報に触れる
 書籍、映画やドラマなどを通して、LGBTQの生き方や抱える課題について少しずつ興味を持ってみてはいかがでしょうか?

・イベントや活動に参加する
 「LGBT イベント」で検索すると、交流会、パレードや映画祭、変わったところだとお寺などでイベントが開催されています。
 ご自身が興味を持たれたイベントにふらっと立ち寄るだけでも良いので参加してみてください。

・アライになる
 「アライ(ally)」とは、LGBTの人々を理解し、支援する人のことを指します。アライとしてできることは、日常生活の些細な行動から始まります。
 別記事「LGBT アライ(ally)とは?」でアライの詳しい内容やアライになる方法などを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

今回の記事では、LGBTQに関する用語の意味やLGBTQを取り巻く環境についてのポイントを12個にまとめて紹介しました。他にも紹介しきれないたくさんのポイントがあります。

それでも、この記事を読み終わったころには、LGBTQについて考える力は十分に身についているはずです。

ただ、今回の記事で大切なポイントはこちらです。

大切なポイント
性のあり方は人それぞれ違いがある
偏見をなくす

今回はこれだけでも覚えて帰ってください。

この記事を読んで「私ぜんぜん理解できていなかった」と落ち込むことはありません。最初から深く理解することは誰にもできません。できることからコツコツ取り組みましょう!

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。